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研究内容(プロジェクト)

「地球再生計画」の実施計画作成に関する調査事業

統合評価モデルDNE21による分析例~リファレンスケース~

ここでは、もし、特段の温暖化抑制政策、CO2排出抑制政策を取らなかった場合のモデル分析結果を見ることができます。
ただし、モデル分析結果は、エネルギーシステムコストの最適化を行った結果を示しており、たとえ温暖化抑制政策、CO2抑制政策を取らなかったとしても、長期的、グローバルな視点からのコスト的に望ましい対策が提示されています。よって、本計算結果の実現にも相応の努力は必要と言えます。

  • ・リファレンスシナリオ
  • ・炭素税シナリオ
  • ・CO2排出抑制シナリオ
  • ・CO2濃度抑制シナリオ

           等

  • ・人口
  • ・基準GDP
  • ・基準最終エネルギー需要

            等

  • ・エネルギー資源量、供給コスト
  • ・エネルギー・CO2輸送コスト
  • ・エネルギー変換効率、設備コスト
  • ・CO2回収効率、設備コスト
  • ・CO2貯留可能容量、貯留コスト

               等

  • ・その他の温室効果ガス排出量

              等

マクロ経済モデル

エネルギーシステムモデル

気候変動モデル

図中のモデル計算結果部分をクリックすると、「リファレンスケース」におけるそれぞれの計算結果の詳細が見られます。なお、実際には多くの計算結果は、世界10地域分割別に得られますが、ここでの一部のデータは世界全体に集計したもののみを示しています。

「CO2濃度抑制シナリオ(大気中CO2濃度を550ppmv以下に安定化)」における分析結果へ

エネルギー、CO2貯留・隔離などの対策技術別のCO2排出削減効果


国内総生産(GDP)推移

「リファレンスケース」におけるGDPは、モデルの前提条件として想定したものとなります。

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世界最終エネルギー消費量(エネルギー種別)

「リファレンスケース」における最終エネルギー需要(固体、液体、気体燃料、電力別)は、モデルの前提条件として想定したものと同じです。ただし、それぞれの燃料種をどのようなエネルギー種で供給するのかは、モデル計算によって算出されます。
固体燃料は石炭とバイオマス、液体燃料は石油とわずかながらエタノールによって供給される結果となっています。気体燃料としては、天然ガスを利用することがコスト効率的となっています。

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世界一次エネルギー生産量

モデル計算結果からすると、再生可能エネルギーの利用増大を図っていくことがコスト効率的ですが、それでも化石燃料に大きく依存した一次エネルギー生産がコスト効率的な戦略と言えます。特に、21世紀後半は、豊富で安価に生産可能な石炭に依存した一次エネルギー構成がコスト効率的です。

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エネルギー輸送量(化石エネルギーの正味輸入量)

2020年時点では、石油輸出量の大部分は中東・北アフリカ諸国からが占めますが、2050年時点では、旧ソ連・東欧、ラテンアメリカ諸国の輸出量比率が増大します。また、2050年時点では、その他アジア諸国の輸入量が増大する結果となっています。

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世界地域別の一次エネルギー消費量

「リファレンスケース」における2030年と2100年のコスト効率的な世界地域別の一次エネルギー消費量は、下図のように計算されます。2100年には発展途上国のエネルギー消費が劇的に大きくなり、化石燃料の大幅な消費と共に、太陽光発電なども積極的に利用する結果となっています。

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石油精製量

「リファレンスケース」における世界全体の石油精製量およびガソリン精製量は、下図のように計算されます。徐々に拡大する傾向が見られます。

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世界発電電力量

世界の発電電力量は今後大きく増大すると見られます。「リファレンスケース」ではその多くを安価な石炭を利用した発電で賄うことがコスト効率的な戦略と言えます。一方、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電も比率的にはそれほど大きくありませんが、量的にはかなり導入することがコスト効率的です。

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CO2排出量

「リファレンスケース」におけるエネルギー起源のCO2排出量は、2100年には、現在の4倍以上の26GtC(炭素換算で260億トン)にも達すると算出されます。

また、地域別のCO2排出量を見ると、特に今後は、途上国のCO2排出量が急激に増大することがわかります。京都議定書で排出目標が定められている先進国(気候変動枠組条約の附属書I国)の排出量は、特段排出を抑制しない「リファレンスケース」であっても、それほど大きな増大は見られず、今後の実効性のあるCO2抑制のためには、途上国のCO2排出削減を検討していくことが重要と考えられます。

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エネルギー価格(限界費用)

一次エネルギー供給価格(CIF価格)

モデル計算によると、「リファレンスケース」の日本におけるエネルギー輸入価格(CIF 価格)は下図のようになっています。
2100年には、石油や天然ガス(LNG)は、400US$/toe程度に上昇すると計算されます。また、石炭の輸入価格は、2100年には170US$/toe程度と算出されます。

最終需要部門におけるエネルギー価格(電力価格)

モデル計算によると、「リファレンスケース」の日本、北米、西欧における電力価格は、下図のようになっています。

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大気中CO2濃度推移

「リファレンスケース」における2100年時点の大気中CO2濃度は、現在の2倍程度の740ppmvに達すると算出されます。

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全球平均気温上昇推移

「リファレンスケース」における2100年の全球平均気温上昇は3.3℃(1961-1990年平均比)に達すると算出されます。

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海面上昇推移

「リファレンスケース」における2100年時点の海面上昇は、1990年比で約50cmと算出されます。

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