グループリーダーご挨拶

化学研究グループ グループリーダー 中尾真一

最近の北極海の氷の融解のニュースなどを見ていると、地球温暖化はますます進んでいるようで、その防止は急務となっています。温暖化の防止には、温室効果ガスであるCO2を発電所や工場などの発生源から分離・回収し、地中や海底に貯蔵する、いわゆるCCS(CO2 Capture and Storage)技術の開発が不可欠です。国のロードマップでは、2020年にはCCSの実用化が始まる計画になっており、急速に技術開発が進められています。

化学研究グループは、CO2の分離・回収技術の開発に特化した世界に類を見ない研究グループとして、CO2の化学吸収液や固体吸着材、選択透過膜などの技術開発を行ってまいりました。我々が開発した技術は、すでに必要エネルギーやコストの面でほぼ実用レベル、あるいは実証レベルに達しています。

また、CCSの技術開発と並行してCO2を出さない技術の研究開発にも着手しました。再生可能エネルギーを利用した発電技術は利用が広がりつつあります。しかし、これらのエネルギーの最大の問題点は、供給が安定しないこと、貯蔵ができないことです。そこで現在注目されているのが、水の電気分解で水素を作り、水素キャリヤー(有機ハイドライド、アンモニア等)で輸送し、貯蔵するシステムです。必要な時にキャリヤーから水素を取り出し、燃料電池や水素発電で電気を作って利用すれば、太陽光発電等の電気の供給システムと補完的にエネルギーを供給でき、電力供給の不安定性が回避でき、同時にCO2を減らすことができます。

化学研究グループでは、有機ハイドライドから水素を取り出すための脱水素反応と分離精製を同時に高効率に行うことのできるセラミック膜反応器の開発を、CCS技術と並ぶ次の大きな技術課題として検討しています。

化学研究グループは、持続可能な新しい環境エネルギー社会の構築を目標に、今後も研究開発を進めてまいります。皆様のご協力、ご支援をお願いいたします。

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