固体吸収材・吸着剤

固体吸収材・吸着剤

研究分野の説明

CO2の吸着分離法はこれまでにも一部実用化されている技術であり、大規模発生源からのCO2の分離回収法として検討されている技術の一つですが、さらなる分離エネルギーの低減とともに装置のコンパクト化が必要とされています。装置の起動停止や運転が簡単なことや、廃液処理が不要なことは大きなメリットであり、化学的に安定で高性能な吸着剤が開発されれば大幅なコスト低減・省エネも可能です。

吸収法はすでに商用技術として確立されており、一系列での処理のためスケールメリットが得られ大容量に適しますが、背の高い吸収塔、再生塔を必要とし、運転も手間がかかります。一方、小型設備の場合はPSAの方がコンパクトで使いやすく、スリップアミンのトラップ等の後処理システムが不要であるというメリットがあります。特に、化学的に安定な材料を吸着剤として用いれば、排ガス中に新たな環境影響懸念物質が混入する恐れがないことや廃液処理が不要なことは、そもそも地球環境を保全するための技術であるという観点から、他の分離技術と比較して大きな利点であると言えます。RITE化学研究グループでは研究開発を進め、CO2分離回収工程の大幅なコスト低減を目指しています。また、最近になって、これまでに培って来たCO2吸着分離技術は、大規模貯留以外にも種々の閉鎖系空間におけるCO2の除去など、省エネにつながる種々の応用ニーズがあることも判ってきました。現在これらの適用可能性についても検討を行っています。

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