吸収液を用いた二酸化炭素(CO2)の分離・回収方法は、CO2大規模発生源からのCO2分離・回収・貯留(CCS)において、現在実用化されている技術であり、CO2との化学反応を利用してCO2を吸収する「化学吸収液」と、CO2の物理的溶解を利用してCO2を吸収する「物理吸収液」が知られています。これらの吸収液は一般に、吸収塔においてCO2を選択的に吸収させた吸収液を放散塔へ移動させ、吸収液からCO2を放散させます。
化学吸収法は、ガス中のCO2を吸収液に化学的に吸収させた後、加熱することでCO2を吸収液から分離・回収する技術であり、大規模に発生する常圧~中圧のガスからのCO2分離・回収に適しています。
化学研究グループでは、化学吸収法における最大の課題であるCO2分離・回収コストを低減する高性能新吸収液(主にアミン系化合物を基材としたCO2化学吸収液)の研究開発に2004年度より20年以上にわたり取組んでいます。