事業内容
本事業では、IGCCプラント、水素製造プラントなどの高圧ガスからCO2 を分離・回収するのに有効な膜分離システムの実用化研究を行なっています。2022年度は、次フェーズの実ガス試験・実用化に向け、CO2 排出源に適合した膜分離システムの基本仕様を決定し、低コスト化、コンパクト化を考慮した膜分離システムの基本設計を行ないました。また、膜材料の改良により、単膜において3MPaまでの耐圧性と従来膜より高い分離性能を実現し、膜材料としての目標性能達成の目途が得られました。
図 改良膜材料(単膜)分離性能の全圧依存性
試験条件:温度85℃, 全圧0.7~3MPa, 供給ガス組成CO2/He=40/60,湿度60%RH
膜エレメントの開発においては、エレメント長さが従来の2倍である40cm長の膜エレメント(10cm径)の開発に成功しました。今後、改良膜材料を用いた膜エレメント開発および更なるスケールアップ検討を実施し、商用サイズ膜エレメント製作技術の確立を目指します。
図 CO2分離膜、膜エレメント(大面積の膜、支持体および流路材等の部材を一体化したもの)および膜モジュール(膜エレメントと収納容器(ハウジング)を組み合わせたもの)