- CO2分離回収技術の将来を見据え、
先導技術へ挑戦 -
CO2濃度抑制のためには、省エネルギー、燃料転換、再生可能エネルギー(太陽光、風力、
バイオマス)、原子力だけではCO2抑制量が足りずに、
CO2の地中貯留などによる
CO2削減が必要になると予測されています。
地中貯留コストの7割程度は排出源からのCO2分離に
要すると試算されており、地中貯留技術の実用化促進には
CO2分離コストの低減が重要です。
化石エネルギーの転換技術は進歩しており、ボイラースチームタービンの発電方式から、
ガスタービン複合発電、燃料電池複合発電へと進化していくと予想されます。発電装置から
CO2を分離回収する技術も化学吸収法、物理吸収法、
膜分離法、酸素燃焼法など多岐にわたっています。技術進歩によって、
CO2分離が対象とする燃料転換装置と分離装置の
組み合わせが変化し、より経済性の高い技術に対応した
CO2分離技術の開発に対応できるように
図1
に示すような技術開発ビジョンの基に開発を進めています。
化学研究グループでは多様なCO2分離技術開発に努めな
がら、特に化学吸収法と膜分離法に力点を置いています。化学吸収法では製鉄所の排ガス
を対象にしたCO2分離技術の開発では
3700円/トン-CO2まで低減の目処が得られ、
さらに2000円/トン-CO2を狙った化学吸収液の開発
を行っています。また膜分離法ではCO2/H2の分離係数が世界でトップの素材を見出しました。
現在は、その素材を膜構造の中へ組み入れる研究に取り組んでいます。