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無機膜を用いたメンブレンリアクター(膜反応器)

 メンブレンリアクター(膜反応器)は"反応"と"分離"を同時に行うことのできる反応器です。反応温度の低温化や、後段の分離精製工程を小規模化(あるいは不要化)することにより、プロセスの簡素化、省エネルギー化、省スペース化が期待できる技術です。

従来の反応プロセスと膜反応器の比較

膜反応器の分類

 膜反応器は、①反応場から目的物質あるいは不純物を引き抜くExtractor型、②膜を介して反応場に原料を供給するDistributor型、③膜の細孔を反応場とするActive contactor型の3つに大別されます。Extractor型は平衡反応、Distributor型は連鎖反応、Active contactor型は並発反応に有利です。

Extractor型、Distributor型、Active contactor型の比較

膜反応器に用いられる無機膜

 膜反応器は、下表に示すとおり、様々な反応系への適用が検討されています。パラジウム膜であれば、水素が生成する反応系への適用が検討されています。水素分離を得意とするシリカ膜も同様です。ゼオライト膜の場合、その吸着性から水が生成する反応系への適用が多く検討されています。

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膜反応器の優位性

 メンブレンリアクター(膜反応器)は、従来の触媒充填層型よりも高い転化率が期待できます。

 例えば、水性ガスシフト反応(CO+H2O ↔ CO2+H2)に水素を選択的に反応系外へ除去する膜反応器を適用した場合、化学量論比であるS/C=1の条件下にて通常の触媒充填層型よりも高い転化率が期待できます。

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