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実海域実験:ノルウェー実験計画(1)
フェーズ1では、上記のような希釈技術の開発と環境影響予測技術の開発をもとに、実海域でのCO2の海洋隔離実験を計画しました。
図17は、2002年の7〜8月にノルウェーの西方約100km沖合の北海で、日・米・ノルウェー・カナダ・スイスの5カ国が共同して行う予定であった実海域実験の模式図です。
水深800mのところへCO2放出装置や種々の観測機器を設置し、液体CO2を約540kgづつ、30分から1.5時間かけて10回放出実験を行い、CO2がうまく液滴になって海水に溶解するかどうかの確認や、放出点近傍で生物がどのような影響を受けるかを調査する予定でした。 |
図中左下のTBAS装置は、アキュムレーターというタンクにCO2を詰めておき、水圧を利用してノズルから液滴にして液体CO2を放出する装置です。
この実験は、ほぼ準備万端整ったのですが、直前になって、ノルウェーの環境大臣から実験許可の取り消し決定があって、残念ながら、実験は中止になりました。
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実海域実験:ノルウェー実験計画(2)
実験許可取り消しの環境大臣決定の理由を図18に示します。
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@ | 海洋環境保全に関する国際条約(London条約)や、北海沿岸諸国が加盟しているOSPAR条約(London条約とほとんど同じもの)、との関係が明確にされていない。
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A | 海洋貯留は有望な気候対策として国際的な気候に関する協力の中で認知されていない、すなわち、IPCCの場で認知されてない。 |
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ここで、反対者とあるのは、グリーンピースとWWF( World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)です。また、SFTとはノルウェー環境省の中にある環境保全管理局のことです。この環境省の担当窓口は、2002年1月にノルウェー実験を認可してくれたほか、グリーンピース他の反対を受けてからの再審査(2002年7月5日)においても、この実験を再認可しています。
環境大臣の決定には不満は残るのですが、このノルウェーの環境大臣の決定を受けて、実験は中止になりました。また、2002年4月からスタートしたわが国のフェーズ2の計画も見直しを余儀なくされました。
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