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CO2希釈技術の開発(1)
海洋隔離技術の開発状況として、フェーズ1の主な成果を紹介します。
CO2希釈技術の開発では、CO2放流点周辺域でのCO2の挙動予測ができるようになりました。図11に示すように、Moving
Shipから下ろしたパイプの先端でノズルから放出される液体CO2がどのような大きさの液滴になって出てくるか、その液滴がどのように浮上してゆきながら海水へ溶解してゆくか、溶解したCO2がどのように移動・拡散するかといった研究をおこないました。
その結果、CO2の放出速度が毎秒約0.1トン、船の速度が毎秒約3m(6ノット)では、CO2は幅約2m、高さ約1000mのカーテン状の範囲へ希釈でき、その初期希釈率が約60,000倍になることが推定できました。 |
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| 図12.CO2希釈技術の開発:液滴溶解挙動モデルの開発 |
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CO2希釈技術の開発(2)
図12は、模擬流体を使った可視化実験の結果と、液滴の浮上・溶解の過程をシミュレーションした結果とを比較したものです。
CO2が浮上してゆくとともに、CO2の溶けた海水が下の方へ降りてゆく状況をモデル化することができております。別途、高圧水槽中で液滴が海水へ溶解する過程の観察にも成功しており、同様の結果を得ています。これによって溶解希釈型の海洋隔離技術の原理を基礎的に確認できました。
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| 図13.希釈技術の開発:液滴径分布とCO2濃度分布 |
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CO2希釈技術の開発(3)
図13は、Moving Shipのノズルの先端から放出されたCO2の液滴径分布とCO2の濃度分布をシミュレーションにより計算した結果です。
図11で説明したカーテン状のCO2分布の中の液滴サイズとCO2濃度の分布図です。ノズルが左下の位置にあって、海水が右方向に流れている場合(船が左方向へ進んでいる状況を想定)の計算結果です。等高線で示した分布は、液滴サイズが小さくなってゆく様子を示しており、赤色から青色で示した分布はCO2の濃度分布を示しています。
ノズルの出口に近い数mから十数mの範囲ではCO2濃度は高くなりますが、水平方向へ約100m、高さ方向へ約100m離れると、周辺の海水濃度とほとんど変わらなくなります。
このような計算ができるようになったことで、今後、海洋隔離で生じるCO2分布を更に詳細に予測できると期待しています。
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