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生物影響モデルの構築1
「生物影響モデルの構築」について説明します。 まず、「急性影響予測モデルによる試算」です。
ここでは、「小規模海洋乱流を考慮したCO2拡散モデル」によって、例えば、このような条件でCO2を放出した場合の、数時間後までのCO2拡散を予測できるようにしました。これが、その予測をグラフィックで示したものです。(クリック!)
さらに、生物影響調査の実験に基づき、CO2による生物の急性致死影響を予測するモデルも構築しています。ここでは、CO2に対して「最も感受性の高いカイアシ類」の影響のデータをモデル計算に用いました。 |
このような、「CO2拡散モデル」と「CO2生物影響モデル」を組合わせて、構築した「急性影響予測モデルによる試算」結果の一例を示しました。
これは、「全炭酸濃度の時間変化」を示しています。赤のラインは船の速度が0の場合。青のラインは船速4ノットでパイプを曳航した場合です。船速4ノットの場合、CO2放出後4.5時間でCO2は自然変動の範囲まで希釈され、生物に対して安全濃度となることが予測されています。この条件における、「最も感受性の高いカイアシ類の死亡率の計算結果」をこちらに示しました。船速4ノットの場合、4.5時間後にはCO2は安全濃度にまで希釈されますので、これ以降は死亡率が増加しないと考えられます。また、4.5時間における死亡率も、0.02%以下であり、このようにCO2が短時間で希釈されれば、生物影響はほぼ無視できると推定されます。
このような急性影響予測モデルを活用することによって、「急性致死影響を極小化する希釈条件を把握」することができるようになってきました。
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生物影響モデルの構築2
また、「生物影響モデルの構築」では、長期影響予測手法開発のために「中深層生態系モデルの構築」を行っています。
ここでは、このような「外洋生態系の概要」を再現する、「炭素循環、微生物ループに基づいた生態系モデル」の構築を行っています。この生態系モデルに海洋環境調査で得られたパラメータを入力して、「長期影響予測の基礎となる鉛直一次元生態系モデルの基本型を構築」してきており、現況再現計算にも目処がついてきました。
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