二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発 Study of Environmental Assessment for CO2 Ocean Sequestration for Mitigation of Climate Change
 フェーズ2 >> 研究成果
  CO2海洋隔離の有効性評価
成果の概要(1)CO2海洋隔離能力の技術評価
「CO2海洋隔離能力の技術評価」ですが、これまでに、「CO2隔離能力の技術評価」では、「大気中CO2濃度の安定化シナリオに対する海洋のCO2隔離量/期間を把握」し、「CO2隔離効果の経済評価」では、「地球温暖化影響の回避効果に対する経済便益($/t-C)を経済性評価モデルにより算出」しました。これら2項目については、最終年度までに、「技術/経済性の総合評価」として、「経済性、コストの調査、海洋隔離活用シナリオの検討、今後の課題整理」をする予定です。「国際法上の位置付けの検討」では、「IPCC特別報告書作成支援、CSLF・ロンドン条約等の会合で海洋隔離の動向を調査」を行いました。そして引続き、「社会的合意・国際的認知度取得のための調査」として、「国際法に関わる情報収集の継続、IPCC等への対応継続、今後の課題整理」を行う予定です。
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CO2隔離能力の技術評価
「CO2隔離能力の技術評価」では、CO2隔離量/隔離期間の技術評価」を行うための計算を実施しました。ここでは、この「大気−海洋−陸域マルチボックスモデル」を用いて、炭素循環を基に地球化学的プロセスを再現し、海洋隔離実施に伴う大気中CO2濃度の長期変動を予測しました。 このモデルから、「海洋のCO2隔離ポテンシャル」を、大気中CO2濃度の450 ̄1000ppm安定化シナリオに対して、計算しました。 この図によると、大気中CO2濃度を550ppmに安定化させるシナリオの場合、海洋への隔離量は約1,600Gt-CのCO2であることが示され、さらに、このCO2の隔離期間は数千年以上あることも別に示されました。 すなわち、海洋は大量のCO2を長期間隔離できるポテンシャルを有するので、海洋隔離技術はCO2削減対策として有効であると示すことができました。
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CO2隔離効果の経済評価
「CO2隔離効果の経済評価」では、「海洋隔離技術による温暖化影響回避効果を経済便益から定量的に把握」することを目標にしています。 このために構築した経済性評価モデルでは、「海洋隔離を実施した場合」と「しない場合」の「大気中CO2濃度」の推移を、先のマルチボックスモデルで計算し、 これに対して「Nordhausのダメージ関数」を用いて、「GDP変動」の推移を算出しています。「海洋隔離の便益」は、この水色部分の、海洋に隔離した「総炭素隔離量」と、この黄色部分の「総便益」、から計算しています。 この図は、大気中CO2濃度を550ppmに安定化させる際に、海洋隔離技術を如何に利用するかという「シナリオ」別に、経済便益を検討した結果です。この図によると、「CO2排出削減シナリオ別の海洋隔離技術の位置付け」また、「将来選好、すなわち何年先までの将来を考えるかという積算期間年数や、将来の価値をどれだけ割引くかという割引率」により、多少異なりますが、総じて、 海洋隔離は長期的に数100〜数1,000$/t-Cの経済便益をもたらし得ることが示されました。
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国際法上の位置付けの検討
国際法上の位置づけの検討

国際法上の位置づけの検討 「国際法上の位置付けの検討」は、「海洋隔離技術の国際的枠組みにおける位置付けを調査」するために、行いました。この検討は、「 2002年8月時点の状況」として、「フェーズ1のノルウエー実験中止を受けて、本事業の日本近海での実験計画を延期し、国際法の再検討を開始」したことに始まります。「調査検討内容」としては、これまでに「IPCC特別報告書作成、CSLF、ロンドン条約、OSPAR条約、国内許認可プロセス等の動向調査」を行うとともに、これらの「情勢変化への対応」も行ってきました。
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RITE 海洋隔離PJ