CO2貯留研究グループのサイトは以下に移動しました。
http://www.rite.or.jp/co2storage/


研究課題


CO2海洋隔離に関して当グループで実施されている主な研究を紹介します。


海洋表層酸性化に対するCO2の中深層隔離の抑制効果の研究
生物影響予測技術開発のための深海生物食物網研究




<海洋表層の酸性化に対するCO2の中深層隔離の抑制効果の研究>

 大気中のCO2濃度の上昇は地球温暖化のみならず、海水に溶けたCO2はpHを低下させ、海洋の酸性化が起こると考えられています。大気中にCO2を排 出し続けるた場合に海洋の酸性化がどのように進むのか、CO2海洋隔離はそのくらいの対策効果かあるのかなどをを明らかにするために、地球規模モデルの数 値シミュレーションを行っています。




地球規模の数値シミュレーションモデルの構成
米国海洋大気庁(NOAA: National Oceanic and Atmospheric)のGFDL(Geophysical Fluid Dynamics Laboratory)で開発された海洋大循環モデルModular Ocean Model version 2 (MOM2)と海洋環境データを作成するために、低次生態系に基づく物質循環モデル(Nakata et al. 2004)を使用しています。




シミュレーション計算の結果によれば、CO2海洋隔離を行えば、海洋表層の酸性化を抑制することがわかりました。また、CO2を注入する中深層では注入量 に応じた酸性化が生じることもわかりました。海洋の表層には多様な生物が生息し、個体数も中深層に比べて非常に多くいます。CO2海洋隔離は、表層酸性化 による生物への影響を回避することができそうです。一方、海洋隔離を行うには中深層の生物への影響を考慮する必要があります。そのためCO2の生物への影 響に関する研究も進めていいます。このページの「生物影響予測技術開発のための深海生物食物網研究」や、海洋隔離のホームページで紹介しています。




<生物影響予測技術開発のための深海生物食物網研究>  

生物に対するCO2の直接影響だけでなく、食物連鎖を通した間接的な影響を調べることが、生態系への影響を評価するために欠かせません。 深海に棲む生物は、その餌が限られているために餌の捕獲状況の観察や、胃内容物を調べることが困難です。そこで生物の体を構成する主成分である炭素と窒素に着目し、食物網構造の検討を行いました。

食物連鎖の頂点に向かうほど、炭素と窒素の同位体比は重くなります。その化学的性質を利用して食物網構造の把握を行います。

隔離想定海域では、上のような食物網構造が推定されました。この結果は、生態系モデルの作成に利用されます。





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