バイオ研究グループの取り組み

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バイオ研究グループについて

バイオ研究グループでは革新的バイオリファイナリー技術の研究開発を推進することで、地球温暖化対策に取り組んでいます。

バイオリファイナリーは、再生可能資源であるバイオマスを原料としてバイオ燃料やグリーン化学品を生産する技術や産業、プラントを意味し、地球温暖化防止に貢献する技術として大きな期待が寄せられています。そのプロセスでは非可食バイオマスであるトウモロコシやサトウキビの残渣(コーンストーバーやバガスなどのセルロース)などが、燃料(エタノール、ブタノールなど)や付加価値の高い化学品(有機酸、芳香族化合物、アミノ酸など)に変換されます。

現在、身の回りにあるほとんどのエネルギー製品(自動車燃料、電力など)や化学製品(衣類、プラスチック製品など)は化石資源由来のものです(石油リファイナリー)。バイオリファイナリーではバイオマス資源を用いて石油リファイナリー製品群と同様の製品群を展開することができます。このようなバイオリファイナリー体系を構築することで、地球温暖化問題のみならず持続可能な循環型社会の形成に大きく貢献できます。

石油リファイナリーからバイオリファイナリーへ

生化学反応を利用したバイオプロセスを用いると、バイオエタノールなどの大量生産に加え、バイオマス組成や中間体の違いを利用した多種類の製品の生産や、医薬品などの高品質・少量生産も可能になります。また、バイオマス(植物由来)を原料としているため、利用手段によらず大気中のCO2濃度は変化しません(カーボンニュートラル)。そのため、化石資源の消費に由来するCO2排出を抑えて地球温暖化防止に貢献することができます。同時に、原料生産では地域農業の活性化にもつながり、さらに海外からの化石資源の輸入量を減らせるなど、エネルギーセキュリティーにも貢献できます。

バイオプロセスでは、まずバイオマスを酵素などにより糖化します。この糖を出発原料にして、さらに次のステップのプロセス(バイオ変換プロセス)で、各々の生産物へ変換します。原料は今のところトウモロコシやサトウキビなどが代表的ですが、近年、バイオエタノールやバイオディーゼル生産が食料資源と競合し、穀物や植物油価格の高騰を招いているとの批判があります。そのため食料資源と競合しないセルロース系バイオマスの利用技術開発が急速に進展しています。

海外での取り組みを紹介しますと、米国は世界最大のバイオリファイナリー産業を実現しており、特にバイオ燃料であるバイオエタノールでは世界生産量の約60%を占め、135億ガロン(5100万kL、2013年)を生産しています。しかし、米国で生産されるコーンの約40%がバイオエタノールの原料に消費されることから、政府の強力な支援策により2014年からコーンストーバー(トウモロコシ茎葉)を原料とする大規模セルロースエタノールプラント(年産20万kL)が数か所稼働を開始しました。政策面では、2007年の米国「エネルギー自立およびエネルギー安全保障法」に基づく再生可能燃料使用基準(RFS)が義務化されており、コーンベースの従来型バイオエタノールは2017年以降150億ガロン、セルロースエタノールは2022年までに160億ガロンの生産を目標としています。

欧州(EU)では自動車の約半分がディーゼル車のため、バイオディーゼルの消費が多くなっています。2012年には約900万トンのバイオディーゼルが菜種などから生産されました。2009年に設定された目標値ではバイオ燃料の輸送分野のエネルギーへの導入値を10%(2020年)としていましたが、食料価格の高騰や環境汚染につながるとの批判が強く、農産物から直接作られるバイオ燃料の使用を制限することが2013年EU委員会で決定されました。そのためトウモロコシや菜種などの「第一世代」を原料とするバイオ燃料は、2020年までに6~7%の導入量に制限される見通しです。その他、ブラジルではサトウキビを原料としたバイオエタノール、アルゼンチンでは大豆油、中国や東南アジアでもバイオエタノールやバイオディーゼルなどの生産が行われています。

最後にグリーン化学品生産の状況についてまとめます。生産量はバイオ燃料に比べると少ないですが着実に生産量を増やしています。バイオプラスチックでは、コーンを原料としたポリ乳酸(PLA)が商業生産されており年産14万トンのプラントが米国で稼働しています。従来の生分解性に加えて汎用プラスチックと同等の性質を持つPLAも開発されており、さらに2番目の大規模プラント建設が計画されています。ブラジルでは安価なバイオエタノールを脱水したエチレンを原料とした非生分解性バイオポリエチレンを2010年から20万トンレベルで生産しており、食品容器などに利用されています。ポリエステルではバイオマス由来のブタノールを原料としたテレフタル酸とバイオエタノール起源のモノエチレングリコールからバイオPETを合成する技術開発が進んでいます。またエンジニアリングプラスチックなどバイオマスを原料とした製品開発も報告されています。

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